ロクでもない創作人生を振り返ろうよの会(10月22日の日記)

 ここ数日間日記を投稿していなかった。というのも理由があって、久しぶりに短編を執筆していたのだ。執筆のスピードがかなり遅いからまだ序盤で止まっているが……

 今書いている短編は、数年前に中学1、2年生の時に書いていた小説のリメイクである。リメイクというよりか、お気に入りのシーンを一つだけ抜粋して書き直している感じ。

 執筆を進めているうちに、「自分の創作人生について振り返ってみようかな」と考えた。高校生という一つの節目を迎えたから、小学生と中学生の創作人生を一旦振り返ってみようと。

 

小学六年生

 ノートに小説を書き始めた。これが自分の創作人生の始まりであった。

 その頃は検索してはいけない言葉にハマっていて、『終わらない夏休み』『茜の悲劇』『妖精であそぼう』などの拷問系を自分でも書いてみたいと思ったのがきっかけであった。今考えるとどうかしているとしか思わないが……

 誘拐された少女が男二人に嬲られ痛めつけられるパートが物語の軸になり、「何故少女は誘拐されたのか」が明かされる過去パートや、捜査を進める警察パートなどに物語が分かれて進んでいく。

 今思い返してみても、アイデアは面白そうである。だが、所詮は小学生が書いた小説であり、しかもこれが人生初の執筆なのだ。ロクなものでは無い。

 男子の間では人気を博した。「続きはまだか」と友達が押し寄せてきたりして、自分はすっかり人気の小説家になったかのように思いこめた。結局、書き終わって友達が最後まで読んだ後、ゴミ箱に捨てた。「残しておけばよかったな」と後悔しているが、残したら残したで「絶対に開けない魔のノート」に化していた。

 黒歴史ノートは、捨てても残しても後悔するのだ。

 

中学生

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 ネットに投稿を始めた。

 あの頃の僕は非常に愚かで、「僕も異世界ものを書いたら人気になるかな」という安直な発想で異世界ものを書き始めた。が、王道的なファンタジーにするのは嫌だったので(逆張りオタクだから)異世界を舞台にした百合戦争ものを書いた。明らかに『幼女戦記』に影響されていたのは言うまでもない。

 政治、戦争の知識が無い子供に戦争ものの小説なんて書けるわけもなく、馬鹿みたいなあらすじに馬鹿みたいに辻褄が狂った物語など、まあ酷い出来であった。

 その頃、調子に乗った僕は入っていた淫夢グループで宣伝をした。そして、人生で初めて赤の他人から感想をもらえた。

 

「ゾッ帝より少しマシ」

 

 一瞬にして心が打ち砕かれた。今でも忘れられないくらいには、この言葉が脳裏に焼き付いている。

 それまでの僕は、誰かから厳しい感想をもらう経験なんて無かったのだ。小学生の友達が書いた小説を読んだところで、「これつまらないよね」と厳しい言葉を面と向かって投げかけられるわけが無い。つまり、ぬるま湯に浸かった環境で育ってきた。

 挫けずに(できるだけ)毎日投稿していると、読んでくれる人も少し増えた。相変わらず文章も物語も酷いものであったが、「ここの文章はこうした方が良いよ」とアドバイスしてくれる人や「主人公の名前ってつまり……こういう意味なのでは!?」と考察してくれる人もいた。考察要素なんて全く考えていなかったから、「すげえなぁ」と思わされた。

 

 中学二年生の半ば。連載していた異世界ものを消した。ここでようやく、自分の物語の酷さに気がついたのだ。気がついた途端に顔が赤くなるくらいに赤面し、すぐに消した。

 そして、新たに書き始めた。

「連載物は苦手だから短編にしよう」「異世界だと全部自分で考えないといけなくなるから、現実を舞台にしよう」「百合にしよう」という縛りを自分に課した。その結果、今のスタイルにも繋がる物語が完成した。

『10月16日』というタイトルで、なんてことない日常と突然やって来る悲劇、そして再生……と、今までの路線とはかけ離れた物語を書いた。文字数は三万字を超え、自分の中でも「やり切った!」という達成感に満たされた。

 

中学三年生。

 久しぶりに連載物を書こう、と思い執筆を再開した。異世界に転移した少女と奴隷少女の旅を描く百合だが、書いている途中で「これ『キノの旅』の二番煎じだな?」と思い削除した。物語の後味の悪さも、『キノの旅』に引っ張られてできたものであった。

 十一月頃にフォロワーさんから「百合小説コンテストってものがあるけど応募する?」と言われた。そもそも存在自体を知らなかったから調べてみると非常に魅力的なコンテストであった。迷わず参加を決意した。

 投稿したのは『10月16日』のリメイク。視点変更や物語の構造自体を変えて、新たに再構築した。書き始めたのが十二月で、締め切りが一月末。僅か二ヶ月しかなかった。

 なんとか書きおわり投稿した。文字数はなんと約七万字。

 結果は一次落ち。ちょっとでも一次通過を期待した自分が恥ずかしくなった。

 

 そして、今に至る。

 小説家としての知名度微塵も無いし、文章力が上がったのかすらも定かではない。

 中学生の頃に一緒に執筆をしていた友達もみんな執筆を止めて今では僕一人だけになった。辛うじて、執筆を進めているフォロワーさんがいるぐらいか。

 これからも心が折れない限りは創作活動を続けていきたい。いつか心が折れてパッタリと創作を止めるまでは、創作を続けていきたいなぁ……